さあ、最後はシエラデザインズのマウンテンパーカ。

防水、防風性と通気性を併せ持つコットン60%、ナイロン40%の混紡素材を使っていることから

その愛称は「ロクヨン」。

日本では70年代後半にポパイ世代の必須アウターとして君臨したようですが、

76年生まれの私にとっては、90年代初頭のブームが印象深いです。

あの当時の格好いいお兄さんたちは、確かこのパーカにデニムではなく、

マドラスチェックのスラックスにモカシンを合わせていたような。

そう、ちょっとヨーロッパ的でシックだったんですよね。

今回この「ロクヨン」をスタイリングするときにイメージしたのは、

やはり私がかつて憧れた、上品かつ楽しげな着こなしでした。

 

マウンテンパーカをアメカジとしてではなく、
マッキントッシュやバブアーといったヨーロッパの
名品アウターと同じ感覚で着こなす。
しかしそれでいて、アウトドアアウターならではの発色のよさは
ばっちり活かせれば・・・。そんなイメージでコーディネートしましたよ。
 

マウンテンパーカはやっぱりオレンジなど、

ちょっと派手な色がベスト。「ロクヨン」はフラットな質感なので、

地味な色では作業着然とした質感に陥ってしまいますから。

合わせるパンツはスラックスが一押しです。

オレンジならツイードやコーデュロイのグリーンも素敵ですが、

ここではオフホワイトのツイード。

こちらはハバーサックのものですが、

こんなテーパードシルエットがベストです。

腰回りにボリューム感が出るグルカディテールも魅力的。

僕はサイズが合わず断念しました。無念!

インナーはぜひ上品なタイドアップスタイルで。

といってもあまりカチッとした襟のシャツでは少々ミスマッチ。

襟羽根はコンパクトに。そして素材は

オックスフォードや起毛系など、ウォーム感のあるものがベストです。

ネクタイも細身の芯なしがよいでしょう。

で、合わせるニットベストも含めて

ベージュ〜生成り系でまとめれば完璧!

そして、やっぱり重要なのが小物。

マフラーではなく

レマメイヤーのレインボーカラーのカーディガンを羽織って。

スエード靴ではなく

グレインレザーのギリーシューズを合わせて。

キャンバストートではなく

ロエベのリッチなレザートートを合わせて・・・。

(これ、奇しくもLLビーン的なのです)

そんなちょっとお約束から逸脱したチョイスで、

洒落た印象はさらに高まるでしょう。

アウトドアウエアを街で着るというと

ダークカラーのコーディネートに落ち着きがちですが、

個人的にはこんなビビッドな色合わせの方が楽しいし、

より「ロクヨン」らしいんじゃないかな?

と思うのですが・・・。

皆さんいかがでしょうか?

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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