メンズプレシャス春号で敢行したイスラエル特集、
好評のようでとてもうれしい限りです。
文化の混在地点が大好きな私にとって、
この国のカルチャーは
とても興奮すべきものだったのですが、
ひとつだけ見出せなかったのが、
独自のファションでした。

酷暑の国だからなのか、
テルアビブを歩いている若者たちは
ジーンズにダウン、みたいなスタイルがほとんどで、
それはヨーロッパやアメリカの大都市と
あまり変わりないものだったのです。

そんな中で、私がエキサイトしたのが、こういった方々。

イスラエルの各地で見かける
厳格なユダヤ教徒の方々、
現地の人曰く「スーパーレリジョン」です。

彼らのトレードマークは、黒ずくめにハット姿。
ヒゲはボーボーで、
やたらと長く伸ばしたもみあげは
神と交信するアンテナとか。
イスラエル人は基本超ヘルシー志向ですが、
彼らは労働や運動を罪悪と捉えるために、
ぶっちゃけナードな風貌です。
そんな彼らの存在は昔から映画などで
よく見ていましたが、
実際にたくさんの人を見ていると、
その格好にも様々な流派があることがわかってきます。
着物みたいな服を羽織っている人は、
ちょっとスノッブなのだとか。興味深いですね。

それにしても、日本でもたまに
こんな若者、いますよね!?

さて、前述したように独自のファッションカルチャーを
あまり感じられなかったイスラエルですが、
やはりそういった伝統文化に影響を受けたブランドは
水面下で誕生していたようです。

それがこのブランド。

HED MAYNER


イスラエル出身で、現在はパリを拠点に活動する
デザイナーによるブランド、
ヘド・メイナーです!
(画像はHPトップ画像から転載)
スーパーレリジョンをはじめとする
中東全域で見られるスタイルをはじめ、
テーラリング、ストリートなど様々な
文化からの影響をひとつにまとめあげ、
大注目のビッグシルエットな洋服に仕立て上げる
その手腕・・。

私、ウミット・ベナン以来の衝撃を受けました!
東京ではセレクトショップのカンナビスで
取り扱いが少量あるというので
コートやMA-1など試着をしてみたのですが、
そのシルエット、
まるでデヴィッド・バーンかと思いましたよ。。
現在あまりお金持ちではないので
とりあえず購入は見送ったのですが、
今でも後ろ髪引かれる思いです。

トルコ人代表ウミット・ベナン。
ジャマイカ系英国人代表ニコラス・デイリー。
そしてイスラエル人代表ヘド・メイナー。

彼らのようなエスニックカルチャーと
クロージングの世界を
とてもナチュラルに融合させている
若手デザイナーたちの存在には、
服好き東洋人としては大いに刺激を受けますね!

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。
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