昨年、日本で初となる本格上陸を果たした
マノロ・ブラニク。
同時にメンズも展開するということで、
シビれる出費ではありましたが、
張り切って購入しちゃいました!

マノロのウィメンズシューズといえば、
芸術的にグラマラスなフォルムで世界的に有名です。
だからといってメンズもルブタンとか
ロッシみたいなモード系かな?
なんて思うのは早計。実はとっても趣味のよい、
しかしどこかに主張のあるトラッド靴なんです。
トム・フォードよろしくセンスのいいデザイナーは
大概クラシックな洋服を着ているものですし、
こんな靴をやっている点にこそ、
マノロの趣味のよさが伺えますね。

そういえば昔LEONに在籍していた2004年頃には、
こんなことがありました。とあるショップに
マノロのメンズが入荷するという情報を聞きつけ、
現物も見ずに掲載を決めてしまったのですが、
届いたブツを見て全員沈黙。当時の常識だった
ロングノーズとは無縁の、
まるでタニノ・クリスチーみたいな
アリゲーターのローファーだったのですから。。
当時はつまんない靴だな、なんて思ってしまいましたが、
まだまだケツの青い若者だったな〜。
今ならこの靴のよさがよーくわかるよ!

今回購入したのは2足。

まずはブローグブーツです。
モードっぽくはないけれど、
ノーサンプトンのメーカーものに比べると、
革も柔らかく底付けもマッケイなので、
非常に繊細なムード。
エドグリとかトリッカーズを合わせそうな
着こなしに、あえてこいつを取り入れたら、
洒落てるなと思いまして。

そしてお次が、賛否両論のこいつ。

ブリックソールを使った、スエードのコンビシューズ。



ぽってりした木型といい、軽〜い質感といい、
なんというか・・・これハッシュパピー?

しか〜しこれこそが狙いでして。
「マノロなのに見た目ハッシュハピー」
「マノロなのにちょいダ●め」
という自分にしかわからない
密やかな優越感を楽しむために買ったんですな!
高橋幸宏さんはミカバンド時代、
「マノロを履いてドラムを叩いているのは
世界中でも俺くらいだろう」という優越感に
浸っていたと語ってくれました。そう、つまりは
そんな、屈折した美意識をもつ男のための靴が
マノロ・ブラニクなのであります!

この記事の執筆者
MEN'S Preciousファッションディレクター。幼少期からの洋服好き、雑誌好きが高じてファッション編集者の道へ。男性ファッション誌編集部員、フリーエディターを経て、現在は『MEN'S Precious』にてファッションディレクターを務める。趣味は買い物と昭和な喫茶店めぐり。